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正教というキリスト教
正教会はキリスト教の本流
キリスト教“そのもの”です

 正教会(Orthodox Church)の「Orthodox 」とはギリシャ語の「オルソス(正しい)」と「ドクサ(教え・讃美)」という2つの言葉に由来しており、その名のとおり正教会が「正しく神を讃美する教会」、「正しい教えの教会」であるということを意味しています。これはロシア語でも同じで、ロシア語では「プラバ(正しい)スラーブナャ(讃美) ツェルカフ」と言います

 「正しい教え」としては神・救世主・この世・人間の何なるかに答え、「正しい讃美」としては聖書の時代から続く、美しく聖なる祈りの形を保持する教会です。

 「東方教会」とか「ギリシャ正教」、「ロシア正教」とも呼ばれる正教(会)は、ローマ・カトリック教会やプロテスタント諸教会とは異なる伝統の中で、初代教会からの教えと伝統を確かに守り、受け継いで今日に至っている教会で、何も足したり引いたりしていない最も純粋なキリスト教です。つまり、正教会はキリスト教の元祖ともいうべきキリスト教であり、長い歴史のなかで正教会から分離したのがローマ・カトリック教会、更にローマ・カトリック教会から分離して無数に枝分かれしているのがプロテスタント諸派の教会です。

(日本ハリストス正教会ホームページより)

聖ニコライと日本ハリストス正教会

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本に正教(会)が伝道されたのは1861年のことです。ゴロウニンの「日本幽閉記」を読んで日本を知り、日本への正教の伝道を志し、当時開港地だった函館のロシア領事館付司祭として24歳の時に単身で日本に渡ったロシア正教会の司祭ニコライ(渡来時の名はイオアン)・カサートキンによって伝えられました。(ニコライは「ロシア正教」を伝えたのではありません。ロシアから「正教(会)」を伝えたというのが正しい理解です。)これが日本正教会のはじまりです。
 

 その後、ニコライは1891年に現在の千代田区神田駿河台(お茶の水駅前)に日本における正教伝道の拠点となる東京復活大聖堂(ニコライ堂)を建設します。(「ニコライ堂」という名前は通称です。よく、「ニコライを祀って(記念して)建てられている」と勘違いされている人もいますが、決してニコライを記念して建てられているのではありません。ハリストスの復活を記念して建てられた「東京復活大聖堂」というのが正式名称です。)

 ニコライは独学で日本語を学び、聖書をはじめとする正教会の祈祷に必要な数多くの祈祷書を翻訳しました。日本への伝道と祈祷書の翻訳という偉業を成し遂げたニコライは、1970年にその功績が称えられ「亜使徒=使徒と等しい働きをした者」という称号を与えられ、日本で最初の聖人として列聖(聖人になること)されました。この聖ニコライを記憶して建てられているのが前橋ハリストス正教会の聖堂です。

 ニコライは1912年に72歳で永眠しました。その後、様々な激動の時代を生きてきた日本の正教会は1970年に聖自治日本正教会(アウトノミヤ)として認められました。現在、北海道から九州まで全国に約60の教会を有している日本ハリストス正教会は東京、京都、仙台を主教座教会とした3つの主教区に分かれ、人々のたましいの救いのために伝道が行われています。

 2010年には聖ニコライ列聖40周年、2011年には聖ニコライ渡来150周年、2012年には聖ニコライ永眠100周年を迎えました。


   ※ハリストス[Христос]とは、キリストのギリシャ語・ロシア語です。
    クリスマスを「Х’mas」と書くのは、こから来ています。

 

 

 

前橋ハリストス正教会と亜使徒大主教聖ニコライ聖堂

 前橋への伝道は1875(明治8)年にはじまり、3年後の1878(明治11)年にマトフエイ丹羽伝教師を中心として教会が設立されました。翌年1879(明治12)年にはニコライ主教によって深澤雄象をはじめとした旧藩士とその当時盛んであった製糸工場で働く者たち24名に洗礼が施された記録が残っています。この前橋への正教の伝道は前橋市で最初のキリスト教伝道でした(前橋に最初に入ってきたキリスト教は正教会でした)。1985(昭和60)年には当時のフエオドシイ永島府主教座下を招いて前橋開教百年を祝いました。

 1884(明治17)年に最初に建立された降誕聖堂は戦災で焼失。その後1972(昭和47)年に信徒の努力によって再建された聖堂は小さいながらも日本で唯一、亜使徒大主教聖ニコライを記憶して建てられました。この聖堂こそ正真正銘のニコライ堂「前橋のニコライ堂」ともいえます。2015(平成27)年に信徒の念願であった3代目(亜使徒大主教聖ニコライ聖堂としては2代目)となる新しい「日本の亜使徒大主教聖ニコライ聖堂」が建立され、11月3日に府主教ダニイル座下、大主教セラフィム座下により成聖式が盛大に行われました。

 イコノスタス (聖障)のイコンは1972(昭和47)年の聖堂再建の際にロシアの至聖三者セルギー大修道院で制作された伝統的なロシアイコンです。イコノスタスは2層からなる立派なもので、新聖堂建設にあわせて旧聖堂から移設されました。塗装の直しが施され、見る者を圧倒する輝きを放っています。 

現在は前橋教会の司祭が群馬県、栃木県、茨城県の北関東の9つの教会を兼務しており、北関東の拠点となる教会です。

 

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